人間ドックのサービスにおいて、病院側は「医療や検査の質」を重視しがちですが、受診者側の印象に最も残るのは、意外にも「検査後の食事」であることが少なくありません。実際に「今日、人間ドック行ってきたよ」といったSNS投稿でも、添えられる写真は食事であることがほとんどです。
このギャップを理解し、食事提供も人間ドックの重要なサービスの一つとして取り組むことが大切です。
人間ドック検査後の食事 – 4つの選択肢 –
健診施設の食事提供は、大きく4つの方法があります。
施設の規模や設備、求めるサービスレベルによって最適な方法は異なります。
①お弁当
最も導入しやすい方法です。
メリット
- 提供オペレーションが比較的シンプル
- 厨房設備がなくても導入できる
デメリット
- 高級感を演出するには限界がある
- 温めには電子レンジが必要となり、受診者数が多い施設では大型電子レンジを複数台準備する必要がある
- 当日余ったお弁当は翌日に持ち越せない
②ケータリングサービス
ケータリングは、院内の厨房設備の有無によって2つの方式に分かれます。
院内厨房を利用する
厨房設備が整っていれば、できたてのお食事を提供しやすくなります。
メリット
- 温かい料理を提供しやすい
- 食事提供時間(食堂の稼働時間)が長くても比較的対応しやすい
デメリット
- 厨房設備や作業スペースが必要
院外で調理し院内へ搬入する
外部で調理したものを病院へ搬入する方式です。
メリット
- 厨房設備を最小限にできる
- 健診内容に配慮したメニュー設計がしやすい
デメリット
- 「9時から14時まで提供」など食事提供時間が長い場合、品質の維持が難しい
③病院食の活用
入院病棟がある病院では、病院食を活用する方法もあります。
メリット
- 検査後の食事制限に配慮しやすい
- 提供食数が増えることで病院全体としてスケールメリットを得られる場合がある
デメリット
- 食数確定の締切など、病院給食側との調整が必要
- 入院患者様向けのメニューが、人間ドック受診者様の期待に合うか検討する必要がある
また、食事運搬や下膳の動線など、運営面の確認も欠かせません。
④近隣レストランのお食事券配布
ホテルや商業施設に隣接した健診施設では、近隣のレストランで使用可能なお食事券を配布する例もあります。
メリット
- 病院側で食事提供のオペレーションを考える必要が少ない
- 悪天候による大量キャンセルが発生した日でも影響が少ない
- レストランによっては高い満足度が期待できる
- 必ずしも当日利用制限のないチケットであれば、お忙しい受診者様にもメリットになる
デメリット
- メニューを病院側で管理できないので、胃内視鏡や生検後などの食事制限への配慮が難しい
- 健診着からの着替えや院外への移動が必要
- コストは比較的高くなる
外部ベンダーへ委託する場合
ケータリングやカフェテリア運営を外部ベンダーへ委託する場合は、提案依頼書(RFP:Request for Proposal)を作成することをおすすめします。
※別コラム「食事提供ベンダーを選ぶなら提案依頼書(RFP)を作りましょう」にRFPについての詳しい解説があります
RFPを作成する際は、以下の項目を盛り込むことがポイントです。
- 施設の紹介(概要・受診者数・ターゲット層)
- 依頼の背景・目的
- 基本要件
- 評価基準
- 契約条件
- 選定スケジュール
- 問い合わせ先
これにより、病院が求めるサービスレベルをベンダーへ正しく伝え、複数社を公平に比較できるようになります。
まとめ
人間ドックにおける昼食サービスは、受診者様の体調管理と顧客満足度を両立させる重要な要素です。
提供方式はお弁当、ケータリング、病院食、近隣レストランなど様々で、それぞれにメリット・デメリットがあります。施設の規模や設備要件はもちろんのこと、受診者様にどのような体験を提供したいのかという視点から、最適な方法を選択することが大切です。
外部委託を検討する際は、ぜひRFPを活用した適切なベンダー選定に取り組んでみてください。